2018年1月8日月曜日

レイユウサイができるまで

気が向いたので書いていきます。

原案作成が2016年の10月上旬なので、制作期間はそこを起点にします。

1か月目~3か月目
原案をつくる
基本システム+α(自作システム)で1作RPG作ってVer1.00を公開したあと、またRPG作りたいな~と思い原案を考えました。この段階でシナリオの大筋が先にできて、次にゲームシステムをどうしようか検討することに。
基本システムの戦闘システムをベースに一対一のパズルチックなバランスの戦闘の案が浮かんだものの、シナリオとの相性やゲームのテンポを考えて、ボツとなりました。「暗い森を一歩ずつ踏みしめながら進む」みたいなコンセプトだったら合うかもしれませんが……。
最終的に一番条件に合いそうなのがアクションRPG形式だったので、それを採用することになりました。当時ゲーム歴10年に届くか届かないかくらいでアクションRPGも「よるのないくに」程度しかやったことがない(フリーのものも全く遊んでいない)という、ゲームやらないヤツがゲーム作るみたいな感じだったのに、よく止めなかったなと思います……。
戦闘システム以外のシステムもこの段階で固めてしまっています。メニュー式の町や育成要素などは前作(MoebirinAdventure)のものを改良して引き継ぐことで、システム作りで失敗が少なくなるように意識しています。自分好みなのも大きい。

基幹システムを作る
アクションRPGのプレイ経験は少ない、制作経験は皆無ということで、ネット上の講座を漁り、なんとかアクションRPGの基幹システムを作成。ついでに入れたいシステムを組みこんだり講座の通りにやるとバグる部分の修正をしたり、汎用性を高める改良などを実施して、自分用に作り変えました。ベースはおおよそ1か月くらいで完成。そのなかでもAIの処理はかなり苦戦していて、心折れそうになりながら1度か2度作り直しています。
初期の戦闘システムでは「攻撃キー×2」のみでしたが、テストプレイしてみると明らかに足りないことがわかりました。攻撃キーをそのまま増やすか切替キー導入で増やすかで考えた結果、操作キーが少なくとっつきやすいと思う、切替キー導入で増やすことに。
メニュー画面とそこから呼び出す機能は1か月くらいで完成。メニュー起動受付は基本システムを流用&改造したものを使い、その上に自作のメニュー画面を乗せるかたちをとりました。
前作から改良して持ってくるはずだったシステムは、もとの処理やDBの作りが絶望的にひどかったので大部分を作り直しました。
そして、いつまでもテストマップには居られないと思い、仮のチュートリアルを作成。

ここまでやって12月中旬。

付与呪文システムを思いつく
仮のチュートリアルを作って何回か遊ぶうちにまた物足りなさを感じて「なんかもうひと味ほしいぞ!!」となったので「基本の技に任意で付与効果をつけるシステム」を考え、一晩でやりたいことをまとめて年末年始はひたすら付与呪文システムの実装作業をしていました。(後になって知ったことですが、似たようなシステムを搭載したゲームはそこそこあるようですね)
「なんでスキルと付与呪文のセット画面が別なん?」と思われた方もいたと思いますが、後から追加したシステムなのと、低難易度で習得済み技能をメニューから選んで使えるシステムを用意していた(最新版では削除済み)のが理由で統合できませんでした。

データの仮入力
全スキルのデータとモンスターデータ、付与呪文のデータを全部入力。

4か月目~6か月目
ひたすらマップを描く/敵とイベント配置
白螺子屋さんのところのマップチップを使いましたが、自分の感覚と仕様が合うので楽しく描けました。ただ、アクションRPG経験の貧弱さが悪さしてマップの広さはアクションRPGにしてはちょっと狭めだったかもしれない(ちょうどいいというコメントも狭いというコメントもある)。ダッシュがいらない広さかつアクションRPGらしいマップ作りと見栄えのバランスをうまく取るのが今後の自分の課題でしょう。ちなみにサルダーム山とティオライ氷穴の2マップ目以降は遊んでいて面白くなかったので、7か月目以降で全面描き直しをしています。

ひたすらテキストを書く
自分でいうのもなんですが、結構な遅筆なうえセリフ回しが大の苦手だったので、この工程は文章量に対してすさまじく時間がかかりました。txtでテキスト表示システムの制御ができるようにしたおかげで、デフォルトのままよりは執筆速度がマシになったはずなのですが……。この工程が最後まで足を引っ張り、完成は4月上旬になりました。

バランス調整
戦闘バランス調整はアクションRPGらしい調整が全くわからずほぼ手探り。「Excelで作ったダメージ計算機に数値入れてデータ調整→テストプレイ」をひたすら繰り返しました。思えばアクションRPGにすると決めた段階でフリーのアクションRPGを漁ればよかったのかもしれませんが、全くやらなかったので良くも悪くも他からあまり影響を受けずに作ってしまいました。
最終的には「主人公は低HP・高防御」「モンスターは高HP・低防御」「エリアが変わるごとに要素を足す」の3点を意識したものとなりました。主人公は女の子でしかもマッチョではないが魔法が使えるということから、打たれ弱さを低HPで、被弾時に一応受け身取ったり魔法で防壁を張ったり服になんか防護効果があるという設定(?)で高防御にしています。モンスターはプレイ感覚的な問題でそうなりました。「要素を足す」というのはこんな感じです:ケルリート大洞窟「近接攻撃のみ」→イトバの森「中距離攻撃(火の玉)、回復技追加」→サルダーム山「遠隔攻撃(氷魔法)追加、攻撃力アップ」→ティオライ氷穴/エハルト地下墓地「対集団戦闘になりやすい配置、耐久力アップ」→フェンミの洞窟「ダンジョンギミックが強く影響するマップ」
初期版の戦闘バランス・システム周りはある意味で作者の趣味が色濃く表れたものとなっています。

ここまでで4月上旬、ひとまずの完成となったのですが、ここでウディコンの存在を思い出して、そこまで温めておくことに。

7か月目~9か月目
ひたすら遊んで、個人的に欲しい機能を追加
いろいろ追加したので記憶が怪しいですが、なんかいろいろ追加しました。技能セット/付与呪文セット画面の下にある小窓で装備中の付与呪文/技能が見える機能や、タイトル画面からキーコンフィグが適用される機能なんかはこの頃に追加しています。一度見たイベントの選択肢が青字になる機能は実装時期もう少し早かったような気もしますが、これも途中で追加した機能。

その他のシステムを作る
個人的にほしかったモンスター図鑑と、サウンドテストを追加。前作でモンスター図鑑を作ろうとして挫折した経験があるのですが、いつの間にかおやつ感覚で作れるようになっていました。バグはあったけども。

シナリオの大規模工事
 実はここでルートをひとつ削除しています。ルート1つ・エンディング2つの削除で(現在の)Aエンド・Bエンドのみになってしまったところへダンカン差分の追加で3エンドになりました。他にもルート削除で減った代わりのイベントを追加しています。ルート削除のきっかけは「超説明不足だから」でした。かといって理解できるくらいイベントを増やすと本編を食ってしまうので、削除となりました。フラグ管理ミスの多くは追加したイベント部分で起こっています。デバッグ能力がアレなのに期間ギリギリでシナリオの工事をしてはいけない……。

(この頃はレイユウサイ制作を通して機能向上した汎用システムを前作に逆移植するアップデートも地味におこなっていました)

レイユウサイの制作期間は6か月+3か月で9か月でした。ゲームの長さから言えば制作スピードは遅いほうだと思います。

ここまで作業したあと、最終データをVer1.00として7月23日から開催された第9回ウディコンに初日から参加。フラグ管理ミスの修正やら不便・不親切という指摘のあった部分のフォローなどで連日連夜作業して更新しましたが、デスマーチ状態というよりは完全にハイになってて一人お祭り状態でしたね……。あと、仮眠取っているとバグ報告がくる夢を見ることがあるんですが、そういうときに起きあがってバグ報告掲示板見るとバグ報告が本当にあるんですよね(前作も同じことがあった)。これはフリーゲーム作者あるあるなのかな?

0 件のコメント:

コメントを投稿