3日目の朝もやっぱり早い。
休みなのにゆっくり眠れない、慌ただしい旅程やな……(そうするしかなかったけど)と思いつつ、朝食を食べに行く。
朝食は指定できる中で最も早い7時開始、昨日の夕食同様バイキング形式の90分制。チェックアウトが10時であること、出雲大社参拝に最低でも90分はかかるであろうことを考慮すると、あまりのんびり食べてはいられず、腹八分に若干満たない程度に収めることにした。
あらかた食べ終えたところで、部屋へ戻る前にもう一杯お茶を飲んでおきたいと思いコップ片手に席を立つと、スタッフの兄ちゃんに声をかけられた。
「どちらへ行かれますか?」
それはどういう意味だろうとか、考えたり聞いたりするほど朝は頭が回らないので、
「出雲大社へ行くんですよォ~~」
とノータイムで返すと、スタッフの兄ちゃんがきまりの悪いような顔をしだす。
なんでや、出雲大社に近いこの宿に泊まるってことはそういうことやろ?
など脳内でツッコミが出てくる程度には脳みそにエンジンがかかり始めて、
「あっ……もう一杯お茶をもらおうかと思いまして……」
「あっ……失礼いたしました」
失礼しました、ボケが出てしまいました。
朝食をとり終えて部屋に置いていた荷物(ほぼ空)を背負って出雲大社へ出かける。
学生の頃島根へ行ったにもかかわらず行けなかった場所であり、やはり一生に一度は行きたいと思っていた場所である出雲大社。そこまでの道中はひたすら上り坂だった。
暑くならないうちに行こうと思って朝一にしたのに、数分歩いただけでもう汗ばみ始めてきた。
そうして坂を上り切ったところに、出雲大社の鳥居がそびえ立っていた。
すげえでかい。語彙力が溶かされてしまった。
近くではすでに数組の男女が写真を撮り合うなどしていた。朝はえーな。
一礼して鳥居をくぐると、珍しい下り参道が続く。下り参道は初めてなので、違和感がすごかった。平坦な土地の神社は別として、たいがい足腰いじめなレベルのきっつい石段があったり、上り坂だったりするものだから……。
参道で見たものを細かく書いても結局公式サイト見た方が早いので、そこは省略しますが、撮った写真を何枚か載せておきます。
めずらしい下り参道 |
松の並木道 松の根が傷むので真ん中は通れないという説明書きがあった |
因幡の白兎の逸話の像 |
あちこちにうさぎの石像がある |
この鳥居をくぐると、拝殿が見えてくる。
やっと来れたんだな……。朝早いこともあって人が少なく、静かで、鳥居の内側は神社特有の気持ちが引き締まるような雰囲気で満ちていた。
拝殿、御本殿にお参りして、周りの摂末社にもお参りした後、おみくじを引いてみる。
中吉だった。だいたいのことは良きように進むということだったが、転居だけはやめとけとのこと。
転居予定は(この段階では)なかったから、まあ、今まで通り生きていこうと思いつつ、おみくじは結んでおくことにした。
いろいろなことが良きように進みますように。
お守りも買って、カード類を入れてる財布に入れて持ち歩くことにした。
拝殿 注連縄でかい |
ところで、富山に住んでいた頃はときどき御城印を集めて回っていた一方、実家暮らししていた頃小さい神社などを回りまくっていたのに御朱印はもらってなくて、でもせっかく神社の大ボスのようなところに来ておいて御朱印をもらわないのもなんだか寂しいので、御朱印をもらうことにした。
御朱印をもらったことがないので当然ながら御朱印帳も持っていない。
以前だと御朱印帳は売っていなかったらしく、微妙に不安に思いつつ御朱印がもらえる拝殿の裏手を覗くと、「御朱印帳2000円」の文字が。
聞いてみると、御朱印のみだと書き置きしてある紙を渡すかたちになるらしい一方で、御朱印帳を買った場合はその場で直筆でもらえる。
どのみち買うのだけど、直筆という殺し文句、これは強い。もしすでに御朱印帳持ってても買うじゃん……。
そんなこんなで境内をぐるりと一周して、宿へ戻るとチェックアウト時間が迫っていた。
チェックアウト時間を遅らせることはできないので、荷物をまとめてチェックアウト。
チェックアウトは10時、レンタカー返却は13時、まともな時間に帰れる最後の電車も13時台の特急やくも。
微妙に時間があるので、日御碕神社と日御碕灯台を目指してみる。灯台は登れるらしいので、間に合いそうなら登りたい。
出雲大社から車で往復1時間程度+出雲市駅近くのレンタカー屋まで30分なので、まあ間に合うだろう。
日御碕神社や日御碕灯台までの道はちょっとしたワインディングロードのような道で、いい感じのコーナーがリズムよく続く。
前を走っていたロードスターRFは幌を開けていた。気持ちいんだろうなあ。
しかしここにきて天気が悪化し始める。
日御碕神社にお参りした後急に強い雨が降り始め、さほど時間を置かずに視界が真っ白になる土砂降りになる。
ワインディングロードで土砂降りは怖すぎるのでゆっくり走る。
灯台につく頃には小雨になっていた。
よかった、土砂降りで灯台から何も見えないなんてことはないんだ。
駐車場から灯台の敷地入り口への道中、小雨をよけるように小走りで抜けていく人を10人以上は見た。
これはたぶん見れるだろう。
灯台の敷地入り口まで行くと、なにやら看板が置いてあるのを見つける。
おわかりいただけただろうか |
「雨天のため観覧中止」
おいおいおいおいおい。さっきの人は……? もしかしてここに来る前の土砂降りでアウトになったか?
待てば再開されるのかもしれないものの、帰りの時間はもう決まっているし、待つような余裕もない。
登りたかった・・・ |
雨で霞んだ日本海を少し眺めてから、出雲市駅まで戻る。
車でたっぷり1時間。余裕があると思っていた時間も思っていたより経っていて、出雲市駅に着くころには結構ギリギリな時間になっていた。
切符まだ買ってないぞ。ひるめしもまだ食べてないぞ。
みどりの窓口なんて贅沢なものは無く、券売機で買うわけだけど、前の前の人がやけに遅い。なにかがわからんっぽい雰囲気。
操作がわからないのだろうか? 自分は時計と発車時刻を10秒に1回は見比べて無駄に焦りを募らせて待った。
操作方法なら教えたらええやんと思うかもしれないが、前の前の人ということ、自分の後ろに結構人が並んでいるのもあって、会話スキルレベル1振り止めの自分には声をかけづらい環境だった。
結局駅員さんがきて解決したようだった。切符もなんとか間に合った。
帰りのやくもは、奮発してグリーン車にした。
すげえ分厚いふかふかシートに埋まりながら、文章を書いたり外を眺めたり、急いで買ったコンビニおにぎりをかじったりしているうちに岡山に到着。
やくもに使われている車両は酔いやすいことで知られており、そこでおにぎり食うなんて大丈夫か? と思うかもしれないが、案外なんとかなった。個人差があるのだろうけど。
岡山から先は新幹線と在来線の乗り継ぎでひたすら帰るのみ。
特筆するようなこともない。
今回の旅は2日目の朝で旅程がぶち壊しになったのもあって、結構取りこぼしも出た。
鉄道が発達しているエリアなら乗り継ぎの工夫などである程度の時間捻出はできようが、車では高速道路だとかルートの工夫だとか単純にスピード上げることなのだけど、中山間地域においてそのような工夫はできないし、法定速度を大きく上回ろうものなら撮影会とサイン会が待っているので、短縮要素が少ない。
あと、これまでの旅行も含めて言えることだけど、移動時間がやたら長いせいで実質滞在時間がすごく短い。だから移動時間の狂いを滞在時間調整で吸収できない。
欲張りプランがよくないってことだね。
これからも旅行はたびたびやるので、反省点は活かしていこう。富山在住時代に無視しまくっていたけど……。
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